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2008/07/30

至玉

至玉。なじみもなく検索してもろくに意味を説明したページに
ひっかからない。
自分の認識としては、唯一無二とも呼べるほど素晴らしい、という
かんじです。例:至玉の一品。


至玉の一つってみなさん、ありますか?
今日は自分の至玉のフィルムアニメをば。


映画といってしまってもよいのだけれど、
幅広くとると他の邦画とか洋画とか、
墓場まで持っていけなくなるので、
フィルムアニメーションに限定しました。


前書きはさておき。
これさえあれば他はいらない至玉のモノ、
新海誠監督の「秒速5センチメートル」です。

ようやく、感想が書ける、って感じです。
新海誠監督は、「ほしのこえ」あたりから名が知られるように
なったのではと思っています。
代表作は「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」です。
上記三作品はショートフィルムと銘打っており、
おおむね1時間~1時間半といったところです。

新海誠氏は映像美、演出美が高く評価されており、
秒速5センチメートルでは桜散り舞う情景を、
美しくも儚く鮮やかに表現しています。


でも、自分は美術という感触というか諧謔が
理解し難く、まぁキレイかな?ぐらいの感想でした。
ではなぜ?そんなに高い評価を自分が下したのか。


それは賛否両論でもあるシナリオです。
自分はあまり他の方の評価を見ていないので、
断言するのもいかがなものかと思いますが、
自分の見た掲示板では、映像美がもてはやされ、
シナリオについては厨という評価が出ていたような
印象を受けました。


それでも、このシナリオは秀逸だと、自分は思います。
彼が三作品で描いてきた彼我の距離。
幾光年と離れた星と星。
東京~北海道。
東京~茨城。だった気が。

秒速5センチメートルはSFの要素を排し、
そういった要因ではなく、日常で起こりうる要因で
彼我の距離をつくりました。

そのリアリティさが感情移入のしやすさにもつながり、
また感動へと繋いだと思います。

親の都合による引越しで引き裂かれる二人。
まだ子ども二人は自分たちの力でもどうしようも出来なかった。

さらに遠く離れる前に。再会を果たすが。
言えない言葉。伝えたい気持ち。
届く心。それでも離れていく時間と距離。

たとえ大人になろうとも、それぞれがそれぞれの
道を歩んでいたとしても。
その日、舞い散る桜は不意にあなたを思い出させる。
そしてすれ違う。
きっと振り向く。確信にも似た何か。
それだけは間違いは無い。
そう。だからこれからも道を行くよ。

とまぁそんな感じですよ。
大幅にはしょったよ。第二章とかどこ?

One more time。時間をくれよ。
One more chance。チャンスをよこせよ。
ああ、そうさ、探すさ。
もしかしたらそこの駅のホームで、改札口で
エントランスで、ロータリーで!
最後に見た姿でそこにいないと誰が言える!
そんなことあるはずもない。
つまらない幻想ばかり。
ただもう一度、時間をくれよ。
変えて見せるから。
とかさ。
時間をくれとかさ。


past the time。だから、美しくて悲しいのね。
それはそうだったからこそ、今がこんなんで、
探してしまうんだよね。

もういないのに、いるはずないのに、探してしまう自分が
悲しいんじゃなくて、
いるかも知れないという思いを馳せる自分が
情けないんじゃなくて。
今はあの頃の熱もなく、
そういう行為をすることで、胸が熱くなることに、
涙が出てくるんだよね。

完全に冷え切った自分の心。
他者の感覚で見下ろす自分。
あの頃だけが、まっすぐでひたむきで、
心に芯があり、熱かったから、
誰よりも何よりも熱かったから、
今思えば泣けてくるんだよね。



まぁ、長々と叙情的になってしまいました。
実を言うとストーリーというより、
シナリオで作られた土台の上で
ラストの第三章が始まり、
彼の恋愛に対する冷めた感覚が、
自分と同じであるという共有認識を得た後、
One more time, One more chanceが、
それのみが流れてきて、
走馬灯のように過去が流れてきて、
で泣ける。

全三章の短いつくりなんだけど、
第三章はもうろくに見れない。
初めて号泣した。啼いた。
声を殺せず、涙を湧かせ、
顔はくしゃくしゃになり、それでもこらえなければと
右手はジーンズを強く握り締める。
One more time, One more chanceも、
身内でカラオケ行ったら歌え切れない自身がある。


ま、普通の人でもオススメするよ。
それぞれの情景は美しいし、リアライズされた
身近な恋愛情景はそれだけでも訴求力はあると思う。
でも真髄は、何気なく別れてしまって、
不意に何気に思い出してしまう恋愛をして、
現在枯れている方に対してだと思う。
勝てる気がしない。


至玉のフィルムアニメというより、
至玉の一曲かもしれない。
まぁそれぞれ至玉、です。
墓場に持っていくね。


過去類を見ないほど長い今回の記事ですが。
ホントうんざりですね。これ。
推敲がいかに重要かわかるよ。
一旦メモつーか書き起こしてから
書いたほうがいいね。
おかげで冷静じゃない。

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コメント

桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル。

山崎まさよしは反則だろ。あそこのシーンは鳥肌モノw

投稿: しるる | 2008/08/01 12:39

山崎は反則www
涙を流さないなんてムリポ

投稿: 初樹 | 2008/08/03 15:59

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